DISCユニットが実現したいこと

MISSION

アカデミア発創薬の実現を加速するため、
「できないこと」を「できること」に変えるプロフェッショナルな仕事で、“驚き”と“感動”を与えていきたい。

第一三共RDノバーレ株式会社
生物評価研究部部長 若林 謙爾

DISCは、アカデミアの先生・企業の双方にメリットがある画期的な事業

「pre-competitive (非競争)な領域」という用語が製薬業界にも浸透してきた時期だったこともあり、DISC事業は直感的に「これは上手くいく」と感じました。
創薬シーズに対する考え方に企業とアカデミアとの間に大きな溝があるように思っていましたので、創薬ブースター事業の1つであるDISC事業はその溝を埋める良いマッチングになると思ったからです。
アカデミアの先生は国からの予算を活用してご自身の研究テーマを創薬シーズの形に育てることができます。また、製薬企業はその創薬シーズを医薬品につなげるチャンスが得られます。創薬先進国のトップランナーを目指すべく、アカデミアと製薬企業の双方にとって良い仕組みが作られたと感じました。

アカデミアの先生のアイデアの可能性をひろげるため
DISCユニットのHTSを活用していただきたい

創薬研究を進める上で、標的分子の疾患関連性の検証とともに、その標的の機能を調節する化合物を取得する戦略が重要になってきます。
ツールとなる化合物を得ることで、先生方の研究テーマを有望な創薬シーズとして育てることができるのです。標的に作用する化合物を取得するには、DISCユニットのようにライブラリー化合物管理、蛋白質調製、試験系の構築からHTSの実施まで首尾一貫した実施体制が整っていることが重要です。
各々のプロセスの担当者は企業の創薬研究で培ってきた技術とノウハウとともに、新たな医薬品の創出に対する高い志を持っています。DISCのHTSは日本のアカデミア発創薬という夢をかなえる第一歩と言えるでしょう。

DISCユニットのHTS技術は進化し続けています

HTSでは数十万規模の化合物を評価しようとする際、従来は標的蛋白質等の必要量を準備できず、HTSが実施できないということがありました。しかし、私たちは生産方法の改良や微量化技術の導入により、これらの問題の大部分を解決することができるようになりました。さらに、この微量化技術をベースに他の技術と組み合わせることで、よりスピーディーなアッセイが可能になりました。

HTSでは、欲しい活性を示す化合物を確実に見出すために複数の反応や検出系を複雑に組み合わせたり、質の良い抗体を獲得する必要があったりすることが、往々にしてあります。しかし、これらの方法によるアッセイ系の確立には時間を要する上に、確実な手段ではないこともあるのです。そのスマートな解決策の1つが、検出対象物質をラベルフリーでダイレクトに検出・定量する質量分析法です。この質量分析法に、我々が得意とする微量化技術を組み合わせることで、数十万の化合物のアッセイが従来からすると驚くほどの短期間で、実施できるようになりました。

また、化合物と標的蛋白質との相互作用(結合)は、化合物の資質を見極めるうえで極めて重要です。その確認は化合物が蛋白質に結合するとその蛋白質の変性温度が変化することを検出するThermal shift assay(*1)という方法で行うことができますが、この試験を1536wellのミニチュア化対応のHTSで実施できるノウハウを有する研究機関は、国内では私たちのみです。
この方法により、蛋白質の機能自体が不明であっても、その蛋白質に結合する化合物を探し出すことが可能になりました。
私たちは、「できることだけ」を実施するのではなく、「できないこと」を「できること」に変えていくことを常に意識して、限界を突破することにチャレンジしています。

アカデミア創薬のスピードをよりブーストするために

DISCユニットのHTSでは、コンシェルジュの精神をもってアカデミアの先生の考えに寄り添い、どのようなアッセイ系を用いるのが最適なのかを一緒に考えていきます。
私たちがこれまでに培ってきたHTSの実績、高い専門性、そして最新のテクノロジーを活用し、「できないこと」を「できること」に変えるプロフェッショナルの仕事を提供することで、「より素晴らしいテーマになった」「不可能だと思っていたことが可能になった」といった新鮮な“驚き”と“感動”を共有したいのです。そして、『またDISCに参画したい』と思われるような存在を目指しています。

病気に苦しむ患者様にいち早く薬を届けるために、私たちの持てるものを最大限に、アカデミア創薬に活用頂ければ本望です。

参考文献
1)Science.2013 Jul 5;341(6141):84-7

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