コラム

2021年度上期AMED創薬ブースター・DISC事業合同説明会(ウェビナー)開催後のアンケート結果について

2021年度上期AMED創薬ブースター・DISC事業合同説明会(ウェビナー)開催後のアンケート結果について

DISCユニット 秋本俊彦
(第一三共RDノバーレ株式会社)

2021年7月21日と8月18日に、AMED創薬ブースターおよびDISC事業の周知を目的とした、AMED創薬事業部(iD3)とDISCユニットの合同説明会を、オンラインセミナー(ウェビナー)形式で開催しました。ウェビナー形式の合同説明会は前年度(2021年2月および3月)に引き続き2度目の開催となり、前回の参加者数を上回る方々に参加いただきました。また、ウェビナー終了後に実施したアンケート(回答率59%)では、多くの貴重な意見を頂きました。今回は、このアンケート結果の一部をご紹介します。

【ポイント】

・今回初めて参加した方が8割を占め、参加者の関心の高さがうかがえました。
・説明会に参加したことで、AMED創薬ブースターとDISC事業に興味を持たれた方が多く、非臨床のアカデミア研究者にも、化合物スクリーニングの重要性が伝わりました。
・企業とアカデミアの間では、さまざまな認識のギャップがあり、それを埋めるようなコミュニケーションの重要性も浮き彫りになりました。

【開催実績・参加登録状況と参加者数】

ウェビナーへの参加登録者数は168名(82施設)、うち140名(75施設)が実際に参加されました。参加率は83%と極めて高く、創薬ブースターおよびDISC事業への期待が高いと推察されます。参加者が所属するアカデミア施設は、59施設と全参加施設の78%を占めていました。アカデミア研究者の説明会に対するニーズが高いことを、改めて認識いたしました。

【アンケート調査結果】

1.回答者の立場、参加回数、満足度および興味について(図1)

<回答者のお立場>

研究者(大学教員+研究員)が59%であり、産学連携の担当者だけではなく、研究者の方にもご参加していただくことができました。

<参加回数>

80%の方が本説明会に初めての参加、20%は複数回の参加でした。このことから、多くのアカデミア関係者にAMED創薬ブースター・DISC事業への関心を持っていただいていることが示唆されます。加えて、過去に実施した個別のアカデミア施設を対象とした説明会に参加された方が、本ウェビナーにも参加されていることから、説明会での最新の情報は常にニーズがあると言えます。

<説明会の満足度および興味を持たれた事業>

「満足」、「まあ満足」をあわせて97%と非常に高い満足度の評価を頂きました。89%が創薬ブースターに、60%がDISC事業にそれぞれ興味を持たれたとのことでした。説明会を機に、AMEDの非臨床創薬支援の中でも、化合物スクリーニングに強く興味を持って頂けたと思います。一方、「少し不満」との回答では、「創薬に不慣れな者には難しい」、「理解を深めるため資料を共有してほしい」、「成功例を紹介してほしい」などがありました。参加者が、これらの事業への理解をより深めることができるよう、今後の事業活動の参考に致します。

2.参加のきっかけおよび説明会の形式について(図2)

<参加のきっかけ>

ウェビナー開催案内のメールがきっかけの方が47%、施設内での案内が39%、その他ではAMEDの他の事業担当者からの紹介や大学教員からの紹介という回答でした。多くの方に参加いただくには、施設内での展開をされている産学連携窓口のご担当者様の協力が重要であることがわかりました。

<説明会の形式>

事業説明動画の配信希望が49%と最も高い回答でした。AMED創薬ブースターおよびDISC事業の説明動画は、DISCユニットWebサイトにて公開していますので、是非ご覧ください(https://www.id3disc.jp/movie/)。個別相談を希望される方も46%と多く、より具体的なご相談に応えていけるよう、検討を致します。

AMED創薬事業部には「創薬ナビ」という無料相談事業があります。ぜひご活用ください(https://www.amed.go.jp/program/list/11/02/001_01-02.html)。なお、個別のアカデミア施設を対象とした説明会にも対応いたします。ご希望がございましたら、DISCユニットまでご連絡ください。

3.困りごとやその他意見

以下の、回答を頂きました。

<困りごと>

・創薬研究を進めていく上で必要な、薬効・合成・安全性等の専門家がいない。
・化合物ライブラリーや研究機器がアカデミアには無い。
・研究費・人件費、特許維持費などの資金がない。

<その他の意見>

・企業での創薬の流れがわからない。
・企業は低分子創薬には興味を失っているのではないか、と懸念がある。
・アカデミアと企業では、文化・風土・言語が異なり、協業になかなか進むことが出来ない。
・創薬ブースターのような事業が、産と学のギャップを埋めることに期待する。

困りごとで挙げられた点については、今回の説明会でご紹介した、創薬ブースターによる支援がお役に立てると考えています。是非、これを機にご活用ください。企業とアカデミアとの考え方のギャップに対する課題や、企業での創薬がイメージしにくいなどのご意見もありました。DISCユニットでは、製薬企業の創薬に対する考え方や、企業からアカデミアに望むことを、今後Webサイトやメール配信などでお伝えすることで、相互のコミュニケーションの活性化に貢献します。

毎年、創薬ブースターへのシーズ提案のとりまとめは、9月と3月頃に実施します。これまでに、アカデミアの皆様からいただいたご意見を参考に、次回2022年3月のとりまとめ日に合わせて、ウェビナー形式の説明会を予定しています。「こんなトピックスを聞きたい」といったご希望がございましたら、遠慮なくお知らせください。今後とも創薬ブースターおよびDISC事業へのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

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